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消せなかった携帯電話の履歴、溺死の現場で浮いていた手袋、女と男の孤独死の現場の違い…遺品から浮かび上がってくる意外な事実とは!
日本初の遺品整理屋として、1000件以上の現場に立ち会ってきた著者だからこそ書ける衝撃のノンフィクション!
故人の残した遺品を通して、いまを豊かに生きるためのメッセージが心を打つ。ベストセラー『死体は語る』著者・上野正彦氏絶賛の一冊!!
吉田 太一:
1964年大阪市生まれ。2002年、日本初の遺品整理専門会社「キーパーズ」を設立。マスコミから大注目を集める。
本業以外に「孤独死」を防ぐためのDVD制作や講演活動などを精力的に行っている。
おわりに
はじめに
日本初の遺品整理業を立ち上げて、六年がたちました。
この間に、孤立死した方などの遺品の整理に、一万件近く関わらせていただきました。
遺品整理業とは、亡くなられた方のご遺品を、遺族に代わって(あるいは、ご遺族と一緒に)整理し、ある物は処分し、ある物は遺族に形見としてお届けし、またある物は、僧侶を呼んで供養(遺品供養)して天国の故人の元へお送りするのが主な仕事です(これを私たちは「天国へのお引越し」のお手伝い、と呼んでいます)。
この仕事を通じて体験したことを『現実ブログ!!「現実にある出来事の紹介」』としてブログに書き始め、それをもとに二年前に『遺品整理屋は見た!』として上梓させていただいたところ、思いがけない大反響をいただきました。
少子高齢化や核家族化、経済格差が広がる中で、孤独死はもはや他人事ではないと危機感を持たれた方が、いかに多かったかということだと思います。
この出版を機に、私は多くの各界の著名な方々、専門家の方々とお会いすることができ、さまざまな貴重なお考えを聞く機会に恵まれました。
東京大学大学院教授で『おひとりさまの老後』の著者でもある上野千鶴子先生との対談では、なぜ孤立死(一人暮らしの部屋で亡くなって、何日間も誰にも発見されないこと)が男性にばかり多く、女性に少ないのかについて、大変参考になるご意見を聞かせていただきました。
また、元東京監察医務院長の上野正彦先生には「吉田さんと私の仕事は考古学なんですよ」とのお言葉をいただきました。
たしかに、上野正彦先生のお仕事はご遺体、私たちの仕事は遺された物から浮かび上がってくる事実から、その人の生き様を知ることができます。
言ってみれば、死に様から生き様を推測しているわけですね。
人の死には必ず形ある物=「遺品」が残ります。
多くの方々との出会いの中で、私は、遺品とは何か、その意味と重要性について深く考えるようになっていきました。
遺品は、あらゆる生物の中で、人間だけが遺すことができる生きた証です。
どんなに立派な考えや言葉も、人から人への記憶の伝達だけでは残りません。それは記されたり印刷されたり、あるいは、音声を録音したりした“物”があってはじめて、しっかりした記憶になって受け継がれていくものですよね。
その意味では、遺品がなければ人間社会がここまで成長・発展することはできなかったと思います。逆に、遺品には、私たちの成長・発展のために必要な情報が詰まっているとも言えそうです。
私たち人間は、遺品から大切な情報を与えられてきました。その価値は計り知れないものがあります。
そんな遺品が語ってくれる、いまを生きる私たちへの切実なメッセージを聞き取っていただければと思い、この本を出版しました。
そして、「遺す側」「遺される側」のどちらにもなりうる立場の人間として、本当の現実を知り、受け止めるための参考にしていただければ、と思っております。
吉田太一